患者様の権利

患者様には、医療を受けるにあたって、憲法が保障する基本的人権の尊重を要求する権利が
あります。また、医療は患者さんと医療提供者がお互いの信頼の上で協働して取り組むべきものでもあります。医師及び医療従事者または医療組織は、この権利を認識し、擁護していく上で共同の責任を担っています。
立法、政府の行動あるいは他のいかなる行政や慣例であろうとも、患者の権利を否定する場合は、医師はこの権利を保障ないし回復させる適切な手段を講じなければなりません。

1.良質な医療を公平に受ける権利

病気にかかった場合には、だれでも良質で適切な医療を安全かつ公平に受ける権利があります。
患者様は、病気の種類、年齢、性別、社会的地位、信条、人種などにより差別されることなく、
良質で適切な医療を安全かつ公平に受ける権利があります。
病院は、この権利を尊重し、質が高く、現時点で医学的に妥当と考えられる医療を公平に提供する
ように努めます。また、医療における患者様の安全には細心の注意を払います。

2.個人の尊厳が保たれる権利

患者様は、医療の場において、人格・価値観など人間としての尊厳を最大限に尊重される
権利があります。病院職員は、このことが人間として当然の権利であることに思いをはせ、
患者様中心の医療を推進します。

  • 尊厳を得る権利                                      a.患者様は、その文化観及び価値観を尊重されるように、その尊厳とプライバシーを守る
     権利は、医療と医学教育の場において常に尊重される権利があります。
    b.患者様は、最新の医学知識に基づき苦痛の除去を受ける権利があります。
    c.患者様は、人間的な終末期ケアを受ける権利を有し、またできる限り尊厳を保ち、かつ
     安楽に死を迎えるためのあらゆる可能な助力を与えられる権利があります。
  • 宗教的支援を受ける権利                                  患者様は、信仰する宗教の聖職者による支援を含む精神的、かつ道徳的慰問について諾否を
    決める権利があります。

 

3.治療方法などを自由に選択する権利 選択の自由の権利

患者様は、検査や治療法などについて、十分に説明を受け納得したうえで、それを自分の
意志で選ぶ権利があります。病院職員は、検査や治療法について、あらかじめ患者様に十分に
説明し、同意を得てから実施します(インフォームドコンセント)。
患者様は、診断や治療法について自己決定するために、他の医療機関の医師の意見(セカンド
オピニオン)を求める権利があります。医師は、患者様のセカンドオピニオンを求める意思を
尊重し、いつでも対応します。また、医師はそのことで患者様を不当に扱いません。

4.病状などについて十分な説明を受ける権利

患者様は、自分の病気、検査と治療の方法、その利点と危険性、今後の見通しなどについて、
わかりやすい言葉で、説明と情報を受ける権利があります。

  • 健康教育を受ける権利                                   すべての人は、個人の健康と保健サービスの利用について、情報を与えられたうえでの選択が
    可能となるような健康教育を受ける権利がありあます。
    病院は、患者様の健康教育を受ける権利を満たすため、糖尿病教室や健康まつりを定期的に開いています。これらの催しには、どなたでも自由に参加することができます。
                                   

 

5.個人情報について機密がまもられる権利

病名、検査所見、治療法、今後の見通しなどの患者様の診療情報は、厳密に保護される必要が
あります。また、プライバシーが不用意に他人にさらされたり乱されない権利があります。病院
職員は、これらの診療情報が流出することのないように、厳正に取り扱うとともに、患者様のプライバシーには十分に配慮します。
 

6.診療記録の開示を求める権利

患者様は、自分の受けている医療についてくわしく知るため、カルテなどの診療記録の開示を
求める権利があります。病院は、この権利を尊重し、患者様からの要求があれば、治療の妨げに
ならない限り、定められた手続きを経て診療記録を開示します。

私たちは、患者様の権利を充分に尊重した医療に取り組みます。しかし、一方で権利には義務
が伴います。患者様及び家族の皆様には次のような配慮をお願いします。

  • 患者様の責務                                      1.患者様自らの健康に関する情報をできるだけ正確に医療従事者に伝える責務
    2.病気の診断・治療・予後などに関して、十分に理解できるまで質問する責務
    3.すべての患者様が良質で安全な医療を適切に受けることができるように、 他の患者様の
    診療や病院の医療提供に支障をきたさないように配慮する責務
  • 医療従事者の裁量                                     私たちは、患者様の意見、意思を第一に医療を進めますが、次のような場合には 必ずしも
    患者様の要求に応じられないことがあります。
    1.私たち医療従事者にとっての良心や価値観に反するような要求
    2.臨床医学の常識の範囲を超えるような要求